2019/05/18

24 明日、裁判だよ

逮捕から52日。

初めて東京拘置所へ面会に。
朝8時半、電車の中でもみくちゃになった。小菅で降りたのは私以外に3人。
拘置所は巨大な要塞のよう。

ここには数々の凶悪な殺人事件を犯した死刑囚も暮らしている。
映画「冷たい熱帯魚」のモデルになった埼玉愛犬家連続殺人事件の女のほう(男のほうは獄中で死んだ)や秋葉原無差別殺傷事件の犯人が。
最近では浅原彰晃が処刑された。

私の祖父は苗穂で刑務官をしていた。
私が7歳のとき67歳で亡くなったが、祖母から官舎に住んでいた話を聞いたりした。官舎は長屋で隣の家と薄い壁でつながっていて、ボットン便所。
母からも、じいちゃんが受刑者を最期の場所へ連れて行くのは嫌な気分になるもんだ、と言っていたと聞いた記憶がある。
その話を思い出す度、私の頭に階段を上った先に何もない画が浮かぶ。

天気も悪いしどんよりした気持ち。

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まだ受付前だったから、3~4人しか面会希望者がいない。
前の人の真似をする。
受付に「未決15分 既決20分 受刑者25分」の張り紙。

いる人の名前、自分の名前、住所、職業、関係、何しに来た(健康状態の確認)など記入した。
「英語で話したいです」
「英語ね」

待っている間に差し入れ窓口に行き、用紙を記入、フェイスタオルと現金5000円を差し入れた。
差し入れ窓口の横には両全会という売店があるが誰も買っている人はいなかった。
しばらくして番号を呼ばれ、セキュリティーゲートの前でロッカーにバッグを預けた。
円形の廊下をぐるぐる歩いてエレベーターに向かうと一体どこにいるのか分からなくなった。

彼は6階にいた。
外国籍の未決が留置されているフロアのようだ。
落ち着いていて、元気そうだった。
私物のセーターを着ていて、ひげがこんもり生えていた。

明日、裁判だよと教えてくれた。
目の前が開けた。今日来てよかった。
「弁護人、通訳士ともう打ち合わせをしたよ」と彼。
「そうなの?」
弁護人のことは○○san、通訳士のことは名前知らないから、ミスタートランスレートと呼んでいた。
彼が、ミスタートランスレート、と。なんかうれしかった。

「私の手紙届いた?」と言うと
彼がにこっと笑った。
写真と手紙はすぐ、漫画は昨日受け取ったらしい。
(ということは、本の検問は一週間くらい?)
漫画は半分くらい読んだ、と。おもしろいようだ。

彼、私に裁判の日程、法廷番号を伝えようと、手紙を書こうとしていた。
でもごめんね、私、あて先の住所教えていなかった。
実家に拘置所から手紙届くとマズいと思って郵便局の住所を書いた(返送あった場合局留めしようと)
彼が手紙書くと思わなくて!
「手紙の発信は毎週月曜日だけなんだよ」

明日、霞ヶ関に行くね、と伝えた。
明日、東京地裁に行く!

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