2014/05/27

「その夜の侍」

堺雅人の映画を観たのは初めてかもしれない。
ドラマ・半沢直樹から露出が増えてSoftBankのCMで辟易していたけど
こんな寡黙で不器用な主人公なら十分に見れた。

山田孝之がいい具合にクズだったが、なんだかよく分からない映画だったなぁ。

セブンイレブン、牛角、松屋、バーミヤン。
台詞に、やっすい店ばっかりよけ出てきて何だろうと思った。そういう生活水準を表してるようにも思えないし。スポンサーか?くらいに思うほど、とにかくたくさん言うんだもの。

「冗談じゃなくて死んじゃうよ」って留守電に残して自分はその電話にも出ず、ほんとに死んでしまった奥さんのこと、彼は過去のことと納得して生きていくことができたのかな。

ラストの雨の中の決闘シーンは
雨降りすぎ、地面ぬかるみすぎ、画面暗すぎ、殴り合いの迫力なさすぎで、なんか変だったよ。

レビュー観たら、駄作と言ってる人が多いね。アララ。

2014/05/22

「地獄でなぜ悪い」

地獄でなぜ悪い
地獄でなぜ悪い スタンダードエディション [DVD]

園子温監督は「冷たい熱帯魚」でファンになって以来たくさん観ているけど他は正直あまり面白くなかった。
意外にもおもしろくて吹き出してしまった。
岩井志摩子、水道橋博士に始まっていろいろな人がカメオ出演しているのでそれもおもしろいんだけど
でんでんに硫酸ストリキニーネ盛られるおっさんも出ているし、お約束の神楽坂恵さんも。
(神楽坂さんほんとにワンシーンだけで残念。しかもキスシーン。園監督ヘンタイ)
誰に言っても分からないと思うけど高橋ヨシキさんまで出てて超テンションあがった。

あんな長谷川博己初めて観た。キャスティングが素晴らしい。声たけー。
めんどくさくってKYなキャラクター。ひゃ~と言いながらフィルムを回収するシーンは最高。

あと、この人が星野源、なのか。初めて観た。凡人ながら異彩を放っていた。
緑色のボーダーのポロシャツなんて冴えなすぎ。
組に乗り込むとき、あちらさんはストライプのスーツ着てて決して交わらないその対比も絶妙で
ヤクザが映画作り、といいうコメディだけど血多すぎ、赤すぎ、がシュールであまり血もすさまじいと滑稽に見えそのあたりが園子温ワールドだった。
映画と現実の境い目。
これでもか!な銃撃戦と切って切られてのシーンもヤクザ映画や古い日本映画ってこんなんばっかだったんだろうなと思いつつ、オマージュでもあって、現代においてみるとシュールな雰囲気もあっていい具合だった。
またこの映画の中から、園子温の次回作に出る人はいるのかな?

二階堂ふみは利発な顔つきであまりああいう恰好似合わなかったけど男から観たらかっこかわいく見えるんだろう。
少女の頃の美津子とあのCMの歌が最高です。
長谷川博己といい星野源といい少女時代の美津子といい園子温は人間発掘がうまい。
「地獄でなぜ悪い」は映画界への殴り込み。

2014/05/08

「JIPANG PUNK - 五右衛門ロックⅢ」

チケットもらった。
2本目のゲキ×シネ。
もう30分短くしてほしい…あまりに長すぎてそれなりの気合と余裕がなければ観にいけないのだ…。

蒼井優がめたくそかわいい。この人は踊れるのだな、「フラガール」でもすごい女優魂だったもの。
この人の笑顔こそ殺人級のかわいさだった。

ドラマや映画役者ののち歌を始めた人と、
舞台俳優で歌をやってきた人と、
歌のシーンになるとなんだか歌い方が全然違うような気がした。
台詞であり歌でもあるミュージカルのシーンは急に舞台全体に対しての態勢になるからちょっと苦手かな。
(今までの会話の相手への態勢から急に変わるから)

初めて知ったのだけど、麿赤兒という俳優さん。豊臣秀吉の役。
秀吉にそっくりな上に、この人が出てくると場が緊迫する。オーラが凄まじいし、顔(表情)ひとつ、演技ひとつとっても存在感が際立っている。
両足つま先で立っているシーンもよく見えたし、あそこまで細部を表現できるかと、
長台詞は若い者に任せて、なんて笑いをさそう台詞もあったけど、迫力の長台詞シーンと、永遠の命が約束されるおにぎりを前にしてのシーンもかっこよかった。

私、ミュージカルよりは、チャンバラの方が好きかな。シレンとラギで見知った俳優さん達が出ていて劇団☆新感線に親近感☆だった。

2014/05/06

「ツリー・オブ・ライフ」


TSUTAYAの手書きのPOPに「宗教映画」とか「叙情詩的映画」とか
極めつけには
「何かを感じる映画」と書いてあったので
何かってなんだよと思い、借りてみた。


特に何も起こらない
台詞もあんまりない
映像と音楽だけのシーンが長い
ショーン・ペンは1割も出てこない

これらを耐えうる人ならきっとおもしろく観れる気がする。
私はつまらなくもありながら映像に魅せられ、けっこうおもしろく観れた方ではある。
生きることに悩み、一度は死を考えたり、毎日哲学的思考に浸ってたりしているような人にはおもしろく観れると思う。
もしクラゲを飼っていて飽きずに見続けられる人もこの映画を見られると思う(それ以外はだめだ。)

神とは。生命とは。死んだらどこいく…とか。
信仰が深くても、つらいことが起こるとき、人々は疑問を抱く。
神様は与えるけど奪う、って。
どうやって乗り越えるかは、父が・母が・人間が教えてくれるんだと思う。

草木、父、母、生命。少年。それぞれが純粋に象徴的。
草木が特に美しい。とても効果的にちりばめられていて、
緑の美しさからか観終わると目がきれいになったような心が浄化されるような映画だった。
緑の深い色、光、母のドレス、ホースの水、プール。眩い。
ラストシーンもファンタジックですてき。空に向かって伸びるはしごは神様のはしごに見えるし
あれは神様の家なのかも。

最近美しい映画をよく見ているけど、この映画も映像を楽しむという点では
トム・フォードの現代的な映像美もいいけど
この映画ならうちの精神科の待合室に流すのにもいい感じがする。
(今は壮大すぎるオーケストラが流れていて心拍数が上がってキライだ)

ショーン・ペンの家、少ししか映らなかったけどほぼガラス張りで家の中にいてもまるで森にいるみたいな家であんな家を建てたくなった。
(緑が差し込む感じが父ブラピと過ごした少年時代のリビングととてもよく似ている)