2014/04/24

「世界にひとつのプレイブック」

世界にひとつのプレイブック
世界にひとつのプレイブック DVDコレクターズ・エディション(2枚組)

ジェニファー・ローレンスは「あの日欲望の大地で」がすごくよくて
そのあと「ウィンターズ・ボーン」を観たけど
この人は美人でセクシーという設定だったが…特に美人ではないのではないか。。(胸の谷間が見えてるだけでセクシーでもない。。

会話の応酬がおもしろい映画。英語が理解できたらもっといいリズムだっただろう。
主人公パットは躁うつ病(双極性障害)で、「アバズレ未亡人」のティファニーも精神を病みキレキレ。
だがもっとキレてるのはパットのとーちゃん、ロバート・デ・ニーロで
この親にしてこの子か、と消極性障害は遺伝するのである。。

精神が安定して人生を楽しめるような着地点を見つける。
そのために周囲が種を撒いて本人を見守ってあげる。
そんなスタンスが躁うつ病の人の治療に必要なんじゃないかな。

最後のダンス会場のシーンやクリスマスのライトがとてもきれいで音楽もJazzy。
大人っぽいムードの恋愛映画でした。

「夢売るふたり」

夢売るふたり
夢売るふたり [DVD]

展開の速さがすばらしく、開始2分で引き込まれた。
松たか子の表情と、婉曲なカメラワークと。

火事ですべてを失った夫婦。あんなに仲がよくて笑顔が絶えない。
もう一度夫婦で居酒屋を、と同じ夢に向かって、罪悪感のカケラもなく結婚詐欺を始める。
夢のために、夢を売り、体を、心を、切り売りして、へとへとになるまで働いて、それでも「足らん」。
気が付けば、夢に手が届かないばかりか二人バラバラになっちゃって。

男女の違いを描く。同じ夢に向かって共に生きていたはずなのにいつしかボタンを掛け違えたまま別方向に進んでいく、その破滅への過程がとてもナチュラルに表現されていた。
監督は西川美和。「ゆれる」の監督さんだった。
間接的な表現が多く、私こういうの好き。
別々になってく男女を描きながら、結婚したい女、できない女、劣等感のある女、そういう女性をも描いていた(彼女らは結婚詐欺される女たち)
経済的には自立していても、精神的には自立していない、さびしい女たち。
夫に結婚詐欺をさせながら、変わっていく妻さちこの気持ち。
松たか子の自慰は苦しそうでした。
R-15なのはたぶんそういうシーンだと思うのだけど、生理のシーンが出てきてあれはとても女性監督ならではの描写だと思った。
夫は結婚詐欺の女性たちとたくさんセックスをしてるのに、自分はセックスしない。子供もきっとほしいのだろう。
でも自分はセックスしないのに生理って毎月来るんだよね…。
それがむなしく、残酷で、女のサガ。

夫は結婚詐欺を働きながら他人の生活に入り込んで、楽しかったんじゃないの、って。
ウェイトリフティングの女性がいい味を出していた。

後半30分か1時間くらいか、最後に阿部サダヲ(夫)と松たか子(妻)が「ほんとは止めたいし止められるのを待ってる」ってシーンが絶妙だった。
それから以降一緒のシーンがひとつもないのだよね。絶妙。おもしろかった。

2014/04/01

「愛の渦」

おもしろかったけど足りない。
性と生を問う、とか書いてあったけどそんなに深いものでもなかった。

乱交パーティーという題材が人の興味をひき、着衣シーンが少ない、というだけで。
ハプニングバー題材の方がもっとおもしろかったと思う。
中身はんー、おもしろかったけど、もっと人間心理を描いてるものかと。
生きるとは、とか愛していない人となんでセックスするのとか、自分って何なの、とか
生きている空虚さと退屈と犠牲と生きることとにもう少し切り込めたはずだった。

これ性産業にいる人にはまるっきりメルヘンではないだろうか。
リアリティーを感じさせたけど本当のリアルはもっと残酷だから。
男の欲望はもっとあからさまだし、安っぽい女の描き方もさびしい女の描き方も足らない。
男が乱交パーティーに来る理由と女が来る理由は180度違うと思う。
それなのに同じ時間を共有しようとして、やることはセックスだってことのかみ合わなさと複雑さ。

乱交パーティーは相手のカラダを使ったオナニーだ。

結局、窪塚がいいところ全部持ってって赤堀セリさんは最高だった。