2015/12/22

「スワロウテイル」

スワロウテイル
三上博史、Chara、伊藤歩 監督岩井俊二
スワロウテイル [Blu-ray]

1996年 R15

Charaが好き。ずっと観たかったけど変な映画だったらどうしようと二の足を踏んでいた。
キャストがすごい豪華でいろいろなひとが出ている。
Charaはぽちゃっとしてかわいく、渡部篤郎はほんとに美男子だ。

日本語、中国語、英語まざってるのがいい感じ。
フランスの移民問題も訪仏とさせる内容で19年前の映画、これは未来の日本か。

腸の中から出てきたテープを巡ってのチャイニーズマフィアとの紛争。
かと思いきやその話題を追うのは途中でやめたー!!とばりに急にしぼみ、話題は子どもによる偽札作りに…。
なんかちょっと長ーいよ…。

主役は伊藤歩さん。このひと顔変わらないね。とてもいい感じ。
後半、グリコ(Chara)がスターになってから、なにかあったのかと思うほどフェイフォン(三上博史)とグリコのシーンが一切ないのがちょっと悲しいけれど
フェイフォンが見上げた先にあったもの、あれは美しかった。

ザラザラした砂をかぶったような映像や砂漠の背景に日本のビル群とか、映像が独特できれい。
今年の締めくくりにちょうどいい映画だった。

2015/12/19

「誘惑のアフロディーテ」

誘惑のアフロディーテ
誘惑のアフロディーテ ―デジタル・レストア・バージョン― [Blu-ray]

誘惑のアフロディーテ(パッケージの女性)はかわいい。
途中までおもしろく観ていたのに、出ずっぱりのウディ・アレンのはげ頭と長いキスに嫌気がさしてきた頃
しょせんしょぼくれジジイのおとぎ話だと思い始めて、
何だろう、結末がいやすぎた。

なんかおもしろいのないかなーっ。

「ブロードウェイと銃弾」

ブロードウェイと銃弾
ブロードウェイと銃弾 ―デジタル・レストア・バージョン― [Blu-ray]

こむづかしくなくて、なんか楽しくなれるのないかなと思って観た。
ウディ・アレン監督だったのか、知ってたら観てなかった。

台詞の応酬がおもしろくて、あぁ、私がネイティブで英語がスラスラ聴き取れたのならもっとおもしろかっただろう。
一世一代のチャンス?が巡ってきたアーティスト(舞台作家)と彼を取り巻く人々。
舞台俳優のみなさんはみな魅力がないどころか、不快なやつらばかり。
事情があって降板させられない大根女優をネタに、舞台とともにに作家の人生もあれよあれよと変わっていく。
大根女優の付添で本読みに付き合っていたやくざのチーチ。彼が思いもかけぬ影響を与え始める。
舞台の世界と殺し屋の世界。現実離れした世界から、ほんとうの自分の人生、身の丈の人生が透けて見えてくる。


2015/12/15

「舟を編む」

舟を編む
舟を編む 通常版 [DVD]

なかなかさらりとした映画で、きれいな言葉を使いたくなります。
宮崎あおいが板前さんでお通しを出すとき「・・・になります」と言ったのがなる前は何やったんやと言いたくなった。

松田龍平、この人の名前がぜんぜん覚えられない。松井将太とか出てきます。誰や。
八千草薫さんのフレキシブル性に驚く。
カメオ出演でも何でも。この人が着物でにこにこしていれば場に柔らかい光が指し映画全体が優しさに包まれてしまいます。
このフレキシブルさに日本映画界はいつまで依存するのでしょうか。

あんな古い民家に住みたいと思う。
同じ本が山積みの部屋にしても、大根仁監督の部屋とは大違い。凛としたたたずまいで、デスクもダイニングも床。正座は足によくないと分かってもあんな部屋いいなと思ってしまう。

「普通の人々」

普通の人々
普通の人々 [DVD]


セックスのせいかおかげか封印されていた感情が溢れ出した。平静を取り戻しながら気分に合う映画を探してた。
のど飴といっしょにデパスをぽんぽんと放り込んで観たのは1980年の米国映画「普通の人々」。

Ordinary People。
ドナルド・サザーランドがお父さん。同じ顔しているけどキーファー・サザーランドじゃない。
You Tubeに淀川長治さんの解説がある。
監督はロバート・レッドフォード。
ふしぎなもので、俳優さんは出る映画と自身が作る映画まるでちがう。

Ordinary People。これが普通の人々の家族生活ならば、家族は崩壊寸前。
家庭の中の普通にある緊張感が描かれている。
台詞が多い。デパスなんか飲むんじゃなかった。

死んだ長男を愛す母。
母の愛がほしい次男。
お父さんは一歩足らないところがあるけどまあうまくやろうとしているだろう。
問題は母だ。淀川さんは息子だと言った。
Ordinary Familyならば、兄貴を失ったのはみな同じ。残されたもの同士生きていくのがOrdinary。
そうではないところがこの家族。

「チョコレートドーナツ」

チョコレートドーナツ
チョコレートドーナツ [DVD]


裁判所のいう適切さはひとりの人間との幸福とはあまりもかけ離れている。

ダウン症のマルコの先生がいいな。
マルコがゲイのパパ二人の絵を描いたとき、彼女は
「私はあなたがた二人の関係に興味はありません。でも世間は違う」
二人がゲイだからなおさらか、普通の親であろうとする姿がより際立つ。
ポールがルデイに見せるウインクがすてき。

2015/11/23

「白雪姫と鏡の女王」

白雪姫と鏡の女王
白雪姫と鏡の女王


昨晩TVで。冒頭20分くらい見逃した。

映像がうつくしくおもしろいストーリー。
古典的なグリム童話の主人公のイメージを一新しててキュートでたくましい最強の白雪姫ができあがり。
Snowがとにかくかわいい。黒い髪に白い肌の白雪姫だよ。
衣装がとてもカラフルでうきれい。雪の降る森に生える。
王子様はこれまた情けなく、新しい。
王子の裸に見とれる女王なんておもしろすぎでジュリア・ロバーツが出ずっぱりです。

ンゴ(ランブータン/東南アジアのとげとげのフルーツ)が出てきた!

2015/11/12

「バクマン。」

ジャンプを読んだことないのにバクマン。を観る。
大根仁監督のファンだから。

私はもしかしたら精神年齢が高すぎるのかもしれない。
いまいち感情移入できない見物者だった。

漫画家はなんのために漫画を描くのか、漫画でしか表現できない想いがあるから漫画描くんだろ?
そういう問いが一切ない。
みんなの中でそれが説明いらないくらいジャンプの漫画家とはリスペクトされているのか。
分からない。
俳優さんがみなCMや映画で馴染みのある顔ばかりで、友達の出演する映画を観ているみたいいでもあった…。
神木隆之介はかわいー。袖の色がちがうジャージ姿がかわいいよ。
小松菜奈もかわいーよー。目がぶきみかわいい。制服もワンピも体育着でさえかわいかった。
佐藤健は大人になっていた。
バラエティでお世辞でも笑わなかったもんね。

大根監督は「モテキ」のドラマ版からか勝手に、ミニシアター系映画監督だと思ってたけど旬の俳優さんを起用できて、主題歌はサカナクションで、東宝で一日何発もやっちゃって、次回作は福山雅治主演だという。ぬー。でかくなってしまった(以前見たら小さいおじさんだった)
それにどの部屋も(集英社の社内も)一様にみな汚い。これ「モテキ」の幸世の部屋の流れじゃねえかと。

エンディングの棚がいちばんすごかった!

2015/10/22

白い冷製パスタ

暇なんで…。
あまりおいしそうに見えないけど。
すだちとすりおろしりんごの冷製パスタ。

マカロニの方がよかった。

ボウルにすりおろしりんご1/8個分、すだちの絞り汁、塩こしょう、オリーブオイル、ゆでて冷やしたスパゲッティを和えた。
見た目は地味だけどデザート風フルーツパスタのできあがり。
りんごは柔らかいのですりおろしはらくだった。
冷蔵庫にたまたますだちがあって
りんごをさらに甘くひきたてなかなか美味。
レモンだともっととんがる感じかも。

デザートにまだ炭水化物のスパゲッティを食べるのか?と思うけれども、肉がないときの昼めしによい。

2015/10/10

貧乏つけ麺


安い鶏手羽を同量のしょうゆ、酢、酒で煮ることが多い。
大根や、ゆで卵と合わせることも。
今回はかぶだった。

その汁が濃くて、美味くて、あつあつのごはんといっしょにしゃばしゃばとかき込むと酸っぱおいしいが、汁だけいっぱいで残ってしまってもったいない。

写真は両方熱いのだけどそう見えなくてすみません。
その汁をつけ麺風に食したものです。
「揖保の糸」はそうめんがそうめんとして売れなくなっているせいか、洋風メニューを提案しているようだが、つけ麺という選択肢はどうでしょう。

熱いうちにズズズとすすってみるとなかなかいけた。

酒の肴 油揚げ


「お料理速報の貧乏料理スレ」を見ていたら油揚げを使った酒の肴が載っていた。
私は酒飲みではないが酒のアテには興味があった。
作ってみた。

いつも買ううすっぺらな油5枚入りの油揚げじゃなく、1枚150円のお豆腐屋さん手作り風油揚げ。
レンガみたいな厚みでおいしそう。

作り方
油揚げを切る。縦でも三角でもお好みに。
油を敷かないフライパンで焼く。
皿に盛り、すりおろししょうが、かいわれや万能ねぎを散らす。
ポン酢をかけていただく。

レシピではおしょうゆだったけど、サッパリがいいのでポン酢にした。
おいしい油揚げでどうぞ。

2015/09/19

「プリシラ」

プリシラ
プリシラ [DVD]

プリシラ、最高だった。
前衛的な映画。これはゲイのバイブルに違いない。ゲイだけでなく自分が自分のまま生きたい人の心をスーッと癒してくれる映画。
ずっと忘れたくない。

1994年のオーストラリア映画。
アカデミー衣装デザイン賞を受賞した。


こんなに今の自分(というか今日の自分)の心を救ってくれる映画はなかった。

3人のキャラクターのちがうドラッグ・クイーンがショーをするためにシドニーから砂漠の街アリススプリングへ向かうバスの旅。
乾いた砂漠とどこまでもひろがる大地と空に奇抜な衣装をまとったオカマ3人。バス故障中。
しらない町で露骨な差別に遭って、三者三様の過去がぽつぽつと語られ、陽気なだけではないゲイの人生が見え隠れする。

歌が、ぜんぶ有名な音楽ばかり!

素になっているときの服の色使いの方がつぼだった。
肌の色と髪の色に合わせて似合う服を着ていてセンスがいい。
アダムの民族風の柄シャツやジーンズ地のベスト。筋肉質できめこまやかな肌をきれいに見せてる。
主人公ミッチはアダムとは逆で色白だから黄色や紫が似合う。
すごく似合わないものをあえて着ているときも。(アダムが狂ったときのワンピースとか、ミッチが嘘のお父さん像を演出してようとして着ているベージュのシャツとパンツ)

年上のバーナデット役の俳優さんがすばらしかった。
心が女性になっている年配のゲイを見事に演じていた。
どうして腕まで女らしさをにじみ出せるの?
普通男の人の腕で女性の腕の曲線を演出できないでしょう?ふしぎ。
「ゲイが女になろうとするのは難しいのよ」って台詞が響いた。
難しいから女以上に努力しているんだよゲイは。

最後ABBAのマンマミーア来たー!

2015/09/17

「最強のふたり」

最強のふたり
最強のふたり スペシャル・プライス [DVD]

予告でおもしろそうだと思ってしばらく時間が経ってしまってやっと観た。
もう旧作コーナーに並んでた。
フランス人3人にひとりが見ている名作だそう。今度フランス人と話をするときはこの映画の話をしたい。(原題:"Intouchables")


事故で首から下が麻痺してしまったパリの大富豪フィリップと前科のある乱暴者だった黒人青年ドリスの物語。
フィリップは障害者を障害者とみず対等に接してくるドリスに何かピンとくるものを感じたのだろう、経験も何もない彼を介護人として雇うことにする。
ドリスのジョークはかなりブラックだけれど、富豪で障害者という立場のフィリップにとってはこれまで誰もしてこなかったような態度。彼を信頼し始める。
お互いが、今まで知らなかった世界を知っていく。

ドリスはいつも楽しいことがすき。「こうするもんだ」っていう先入観がなくユーモアがあって、
いるだけで周りを明るくして巻き込んでいく。
専門家じゃできない、他の誰にもできない接し方でフィリップの心を溶かすのは、普通の人と人と思って接しているから。

最初のドライヴのシーンをまた最後にもってきて、物語が分かってからみると
絆を感じてとても温かいきもちになる。
マリファナ煙草がふたりの信頼関係をうまくあらわしていて距離感がとてもいい感じ。
男と男と恋愛でも友情でもないし新しいジャンルの関係を見た。
音楽(バッハからEarth, Wind & Fireまで)の好きな人も楽しめるし、字幕がすごくよかったし
夜のドライブのきらめきが特別パリっぽくなくて返ってすてきだった。

「ミッション・インポッシブル-ローグネーション」

書き忘れていた。
夏に観に行ったのですよ、歌舞伎町のゴジラのいる東宝に。


ミッション・インポルール(略すな)

始って1分以内に心臓バクバクするような出来事が起こる。いきなり。
タキシード&ドレス着なきゃ入れないようなシーンが登場。
エキゾチックな美女出てきて水着のシーンもある。
高級車が次々と傷つけられる。
世界各地の行ってみたくなるような絶景が出てくる。
トム・クルーズが失笑しそうなほど超人離れしている。
それでも失敗しそうになってやっとのことでもちこす、そこからが本当の山場。

毎回同じパターンだけれどまんまとはまってマジで唾をのみこむ5秒前。

ヒロインの女性が今までで最強だった。
あんな美女になりたいものです…。
そして悪役の人がいかにも悪そうでないのがよい。
あんなしゃがれ声…に銀ふちめがね。かなりイッちゃってる出ていてよい。
この映画って、どこからこんな斜め上の悪役を集めてくるのかと感心する。
この人、また出てきてほしい!!
(煙もくもくもく、となっただけで死んだシーンは出てきてないから生きているかもしれないよ!!)
と思って、お客さんに言ってみたら「いやー、一回こっきりでしょ」とのことだった。
んー、そうかなぁ。


トムの裸体は少な目だった。もう50歳越えているからねえ…。
トム・クルーズのすごいところはぜんぶトム・クルーズなんだけどトム・クルーズではないとだめだと観る人に思わせているところ。
役者だから自分以外の人を演じなければいけないんだけど演じた先の人物もトム・クルーズでなければならないということが成立していて、そして違和感がなく、嫌でもない、彼しかいないと思わせられるのがすごい。
逆にあれだけ有名で固定化したキャラがついてしまうとしごとの幅もすくなくなるだろうが、逆にそのイメージも含めてトム・クルーズワールドに世界中が騙されてそれで誰も文句を言わずOKってなっているのがすごい。
やっぱりスーパースターだと思う。

一回生で見てみたいよねえ。トム・クルーズ。


「ミッション・インポッシブル‐ゴーストプロトコル」

「幕が上がる」

幕が上がる
B00W6RPO3S

ももクロファンのお客さんからのオススメ。
単純に青春映画としても非常にできがいい、とのこと。

正直、ものクロ全員の顔まで分からず観ていた。
演技がうまい。
ファンではない私でさえ
「みんなちがって みんないい」by 金子みすず
というどこがで聞いたフレーズが出てくるようなよさだった。
ダンスもうまくて歌もうまくて演技もうまいって最強じゃないか。

百田さんはすごく大人っぽい顔をしている。というか精神年齢が高いのではないかと思う。
ちょっと神楽坂恵さん(園子温監督のヨメ)に似ている。
あんなにえくぼがチャーミングな人はいない(あたしはえくぼない。神楽坂さんもえくぼある)
中村さん(普段緑の子)がかわいかった。演劇に強い他校から転校してくる役で距離感がいい感じ。
制服姿がまぶしい。丈がちょうどいい。
おっさんか。

個人的にプールのシーンがもっとほしい!!(より一層学園らしさを出すため)
色がいい感じ。
もっと「打ち上げ花火、上から見るか、下から見るか」ばりに色をどぎつくしてもよい感じ。

先生が男前すぎた。青春映画に男はいらないということが分かった。
先生めちゃちゃきれい、黒木華(はる)さんという女優さん。めっちゃタイプ。
おっさんか。

2015/07/20

旅の強制終了



ラマダン中のマレーシアでモスクをまわる旅から、タイフード買い食いの旅へと順調に移行したところだったが何も知らない(うすうす感づいていた?)私に重大な事件が発生していたため、旅を終えることになった。

日本国内でカード不正利用があり銀行が機転を利かして私のカードを止めてくれていた。
お金下ろせないなーなんかへんだなと思ってた。

写真は成田上空、トイデジ。

2015/07/11

誰がなにじんか


あすの朝Hat Yaiを発とうかと思った夜、シャワーを浴びに階下に降りると、網状のシャッターからこちらを見る人がいた。

「あなた宿の人?それともゲスト?」
とぎょろっとした眼の白人のおじさんが私に聞いた。
「私ゲストですけど」
彼は、私の身体くらいあるバックパックを背負ったタンクトップの白人女性を連れていた。
ゲストハウスの扉に錠がしてあり宿の主がいないものだから、彼女は入れないでいた。
おっさん「ボスに電話したところだ。いま向かってると」
私「何時に来る?」
おっさん「あと5分で行くって言うんだけどさ。タイでは5分は50分と同じ意味だからね」

私は鍵を開けた。
白人の彼女、こんな遅くに見知らぬ国の見知らぬ街にたどり着いてさぞや疲れているだろうにそんな素振りも見せずに、よかった入れて、本当ありがとうございますーとおっさんと会話している。
私「彼女、アメリカ人?おじさんも?」
おじさんはGreat Britainと声を渋くして言った。誇り高そうだった。
確かにアメリカ人のイギリス人の違いくらい口ぶりで分かるわな。
何も起こらない日々の突然の訪問者に私は少し慌てていた。
おじさん「きみはマレーシアか」
私「日本です」

クアラルンプールに降り立ったときから、日本人か、中国人か、台湾人か、韓国人か、と聞かれ続けてきた。
そのどれかではある。どれでもいい。マレーシアの多民族性を目にしたあと、国籍は意味をなさなくなっていた。
マレーシアのチャイニーズはマレー語を話さないし、空港で働いているインド人をマレー人だと思って覚えたとのマレー語で話しかけても英語でわからないと言われるのだ。
おじさん「彼女はヌーピーさ。きみもヌーピーだ」
私「ヌーピー?」
おじさん「New Peopleのこと。よく分かんないけどタイ人がよく言ってるんだよ」
おじさんは流れ着きタイが気に入って居ついているのだろう。
彼女よろしく頼むぞと言って消えて行った。ボスは本当に5分後に来た。

国境を越えたと感じるのは、肌の露出している人が増えたこと。
一部ムスリマはいるが、肌と髪の黒いおにいさんたちはいない。
男性の目にさらさないように肌を見せない女性たちの住む国から、男性の目を極端に意識している国に来たのだと感じる。

日本人のカレシを待つマッサージのおばちゃんも、美男美女が抱き合うPVばかりでむなくそ悪いタイポップスの中の女たちも、男に媚びるなと言いたい。
男なしで生きていけないと全身で表現しているみたい。タイの女は男がいなくても十分に生きていけるのに。

いま現在一応渡航の延期要検討の勧告が出ているHat Yaiを去り、Suratthaniを通過していまKoh Samui サムイ島にいる。

咳が止まらない。
私は暑いのがだめだし、エアコンの風もだめだから、南国は性に合わないのかもしれないけど、サムイはいいところだと感じる。
サムイにしか上陸しないでタイを去る外国人がいたとしたら、サムイはタイ本土とは全然違う。
看板の文字ひとつ読めない、英語の通じない疎外感を味合わずにタイを満喫しているのか。

Nathon Pier(フェリー港)からChaweng Beachまでのタクシーは600Bと思ってたが値上がりして700Bというさらなる高額になっていた。
ソンテウに乗ってどこか分からない場所で迷子になるか、
30分以上ノーヘルでバイクタクシーに乗っけてもらうか、どちらもいやだった。
あたしはタクシーで行く!

なんかぼーっとした感じの白人のおにいさん2人に声をかけた。
チャウエンに行きます?行くならタクシーをシェアしませんか?
有無を言わせぬ東洋人の申し出に、おにいさんたちはうんと言ってくれた。
片方のおにいさんはもう一人のおにいさんに着いて行っているだけに見えたが、タッパのある白人二人味方につけた私は一人200Bでタクシーに乗ることができた。
よかった!これだけが本当に心配だった。500Bの宿に泊まるのにタクシーだけで700Bとか絶対払いたくなかった。


おにいさんたちはスウェーデン人だった。宿の予約もせず、バンコクからサムイに来てブラブラしてみてから宿を決めるという。ワイルドだー。普通かな…。


写真はChaweng Beachで泳ごうとしていたみつばち。

2015/07/10

Hat Yai


マレーシアはAlor Setarから列車に乗りタイを目指した。
ラマダンのおかげか朝水一本買えなかったから、あるいて駅に着く頃には自分が臭いのが分かるほど汗をかいていた。

国境の町パダン・ブサールに着くと、imigrationへ。マレーシア人にならい同じことをするが何か勝手がわからないままタイへ入国した。

最初の商店で、両替いいですか、と言うと大福のような顔の女の子がこっくりとうなづいた。
脱水して死にそうだったので、急ぎで買った何やら爽やかな漢字の描かれた飲料水を喉に流し込んだがくそまずかった。

南部の町Hat Yaiまでおんぼろのミニバンに2時間ほど揺られた。
風邪がひどくつらいけどそろそろ人恋しくてドミトリータイプのゲストハウスを選んだが、ゲストハウスに他に客はいなかった。

フロントの女の子やボスもいない夜は完全に私ひとりで、シングルルーム状態。
自由にビル一棟を使っていたがあまりにもさびしい。
とまらない咳とくしゃみを直すため養生した。

それを除けば、Hat Yaiは道がだだっ広くなく、歩ける範囲に市場がたくさんあって、ぷらぷらしたり買い食いするにはちょうどよかった。

マッサージ街の店でタイマッサージを受けた。
階段で靴を脱ぎ二階に上がると汚い部屋があり3つあるマットの真ん中でタイマッサージが始まった。
エアコンが22℃だったので26にしたが、入ってきたおばちゃんにあっという間に下げられてしまった。

おばちゃんは必要十分な愛想しかしなかったが、私がJapanというと、色めきたき、わたし日本人と結婚してた、と日本語でしゃべり始めた。
おばちゃんの今のパパは九州にいてお母さんを看ているという。お母さんが死んだらこっちおいでと言ってるけどねと。

日本人の男はタイで何をしているのだろう。

おばちゃんの話によると、Hat Yaiには日本人はいないと言っていた。

実際日本人や他の旅行者も不思議なくらい見かけない。
保守的なマレーシアから開放的なタイにくれば、何かがよくなるだろうと思っていた。

写真は、ナイトマーケットからの帰り。

2015/07/02

闇の中のSP Bumiバスと黒い玉ねぎ

初めて長距離バスに乗る。

Kuala Terengganu→Alor Setar 
 21:00発寝台 60.50MR 所要時間 約7時間45分

マレーシア各地へ行くほとんどの長距離バスが、21時前後出発のためバスターミナルは一層にぎやかだった。
圧倒的に若いムスリマたち(女の子)でごった返していた。
涙を浮かべ見送る人も。
これからどこへ行くのだろう。


S P Bumiの車内。ラッキーなことにいちばん後ろの窓側だった。バスの中でいちばん好きな席。

SP Bumiが黄色くて巨大な車体を揺らしながらターミナルから出た後は、高速に入ると一気にスピードをあげて暗闇を疾走していった。
夜中に走る理由が分かった気がしがした。私たちは朝になったらアロースターに着いているのだな。

何回か目が覚めたが、まだ真っ暗闇の朝5時ケダー州はアロースターに到着した。
バスターミナルから追ってきたタクシーの運ちゃんの車でそのままホテルへ。ほんとはバスターミナルでば時刻表とか見たかったがあんな暗くてはそれもむり。
運ちゃん、わからないながら一生懸命英語で会話してくれようとした。

初めてちょっと高いホテル。めっちゃ立派だった。
フロントマンが
「ミス、まだシステムが動いてないからまだチェックインできないですよ。9時か10時にあくから待って」
「わかった、バックを預かって」
眠くて眠くて仕方がない。
エアコンの効いたロビーでフリースを着たまま(バスの車内も冷えたので)眠気とたたかっていた。
空が明るくなってきたら探索に行こうと思っていた。

私がソファで何回もがくっとなってこっくりこっくりしていたせいか、7時にはもうお部屋に入れてくれた。

アロースターはなんだかしゃんとした街って感じがする。
ごみが少ない。歩いて回れるくらいの規模で道がまっすぐだ。



写真は、黒い玉ねぎののっかったMasjid Zahir ザイールモスク。
名称もさることながら荘厳なたたずまい。



オープンエアの中華料理店でごはんをいただいた。
クダー川。

2015/07/01

トレンガヌの生地屋でバティックを買う

クアラトレンガヌに来てから一度も日本人を見ていない。
旅行者も少ない。

この街では都会よりマレー系でも中華系も、その辺の人に声をかけるとき、英語はあまり通じない。
「地球の歩き方」の巻末についていた簡単なマレー語だけで話をしなくちゃいけなくなった。意外に通じた。

宿の店主は中華系で英語を話す。
ゆっくり話してくれるのでわかりやすい。
若めの中華系の男もいるが彼はなまりがすごくて 「ダイハツ」しか分からなかった。
そして話が長い。


きれいな格好をしているムスリマ。
あの頭に巻いている布もいろいろな種類や素材、着方があるみたいで、クアラルンプールでは黒や青系の無地で頭の形に縫ってありすっぽりかぶるものをしている人の方が多かった。 (あれはほっぺたが強調される)

クアラトレンガヌでは色の種類が多くて、刺繍がしてあったりキラキラしていたり、
ピンで横を留めていたり、あごを閉じるのにブローチで飾っていたり、端がドレープになっていたり、いろいろあって、
全身コーデしていて、とてもきれい。





ユザワヤ的なお店に入ってみた。
その名も「名古屋」。
バティックを1mから切り売りしている。
店内は生地を選ぶ女性がたくさん。とってもきれいで安かったので私も買ってみた。
1m 9RM(約300円)。

2015/06/29

マレー半島の西から東へ




東海岸の港町クアラ・トレンガヌ。
真っ白なMasjid Abidin。

Selamat jalan マラッカ


マラッカを発つ前日、宿のLady Bossがマラッカのバスステーションまで行くバス停を教えてくれた。

昨夜はモスクから聞こえる声や音楽や車の音で眠れなかった。
日照りの中を重い荷物をもって歩くのはつらいのでまだ暗いうちにチェックアウトした。
外は真っ暗でねこしかいなかった。

教えてもらった通りの道を歩いた。
日傘も長そでもいらない暗い道は歩きやすかった。

バス停が見えた。
6時になったところだった。
日の出が7時すぎだから明るくなるまであと1時間もある。
ほんとうに真っ暗だ。
外灯がついていて、ときどき車が飛ばしていく。
マラッカステーションからのバスは早朝から走っているのでそれに合わせてローカルバスもあるんだろうと勝手に解釈していたけれどLady Bossに時間を聞くのを忘れた。


バス停に腰掛けた。
いつ来るんだろう。
7時かもしれないし8時かもしれない。

時間だけがある。


ほんとうに夜かと思うほど暗い。
あと1時間で朝がくるの、バスもくるの。
さりげに曲がり角を眺めてみても他の車が走り去るだけ。
窓から明かりがもれWelcomeと札の下がったホテル。
警備の人に、バス何時に来る、と聞きに行ったが彼は首を振るばかりだった。
何時に来るかなど愚問だったのだ。


バス停に戻りたたずんでいた。
何もすることがない。
後ろに木が茂っているからか痒い。
バックパックの中からムヒとiPodを出したいけど奥にあって出せない。


斜め向かいの中華料理店が煌々と明かりをつけ、調理をしている。
だんだん空が白くなって行き交う車、バイクが増えてきた。
不意に曲がり角からバスが現れ、あっという間に私を連れ去った。

バス停に着いてから55分が経っていた。

2015/06/27

顔のついた裸の鶏


昼間気温が高く歩きたくないので早起きしてブキッチナに行こうと思った。
(と言っても朝でも暑い)

インド人街を抜けた辺りの広場にぞろぞろ人がいて朝市をやっていた。
野菜やお菓子や鶏やフルーツや服やサンダルが売っていた。

中ほどまで進むと、ぷるんとした白い肌の鶏が積んであった。まだ顔がついていた。
出刃包丁をもったおばさんが真っ赤な顔で肉と格闘していた。
後ろにばっさばっさとカラスが三羽。

鳥頭というけど鶏の頭ってほんとうに小さい。

その奥はもっとカオスだった。イカが水に漬けてあるところまで行って引き返した。
朝ごはんがまだだったので揚げパンみたいのを買って食べた。
1つ70セン(100センが1RM)

お兄さんが油揚げを試食していた。
マレーシアのお店の人たちはみなかいがいしく客の世話をしている。


ブキッチナは中国人墓地(Bukit China)で
15世紀の墓や新しい白い墓が点在している丘とのこと。
マレーシア観光に来ている中国人団体客も、遠いご先祖様をお参りしに来ているかなと思ったらひとっこひとりいなかった。(朝8時だし…)

木々と草に覆われた墓石の間を登ってくと、このまま吸い込まれて消えてしまうのかなと思った。


朝から出歩いたから疲れたよ。足に水ぶくれができて痛いんだ。
昨日大事なノートをなくしてしまった。
たぶん車で連れてもらったときだと思う。
あの中にはお客さんの連絡先が書いてある。
なぜそんな大事なものを持ってきてんだ。こんなところでなくすんだ。
ずっと旅をしてるわけにはいかない。帰ったら必要になる。アジアの藻くずになってしまったか。


ゲストハウスの店主(レディボス)に言ったら、聞いてあげるよ、と言ってくれ、
明日のバスの乗り場所も教えてもらって、「(宿の)コーヒーとかお茶とか好きに飲んでよ。なんかあったら言ってね」ととてもやさしい。
「そのピアス高いもの?」と私の300円のピアスを指さした。
「高いもの身につけちゃだめよ。日本人の子、ネックレスとかつけてー」
9RMだというと笑っていた。私はあまりきれいな恰好してない。

彼女は、「日本人はみんなひとりで泊まりに来るの。男の人もひとり、女の人もひとりだよ」と不思議がっていた。

日本人はひとりで海外旅行して一体何を探しているんだろう。
とりあえず「日本人は忙しい」ってことになった。
「仕事辞めないと長期の旅行なんか行けないんです」



写真はチャイナタウンの路地。
観光客向けのメインストリートだけど隙間におもしろい景色がある。

Mix Culture in China Town Melaka


マラッカはその昔、ポルトガル、オランダ、その後イギリスに支配された。
中国からの移民が地元のマレー女性と結婚し、マレーと中華の融合した独自の文化(ババ・ニョニャ)を作りあげた。
マラッカのチャイナタウンは一階は中華風で、二階はヨーロピアンな色使いという雰囲気の家が立ち並んでいる。
先日見たベトナムの映画「青いパパイヤの香り」にちょっと似てる。(ベトナムはフランス統治)


モスクの隣に中国寺院があったり、すぐ近くにインド人街がある。
ポーチュギーセトルメント(Portuguese Settlement・ポルトガル子孫の村)で働く人たちはクリスチャンだという。
マレーシアは複合多民族国家という。違う思想、文化の人が交じり合って独立していっしょに暮らしてる。
島国で鎖国していた国からしたら考えられない、柔軟性と他者への寛容さがある。

タクシー交渉失敗とおっちゃん


クアラルンプールからバスでマラッカにやってきた。

暑くて足も痛くて部屋でへばってたけどマラッカ市街地から遠いMelaka Straits Mosque(Floating Mosque)が見たかった。

泊まったゲストハウスが階下で商店をしており店番をしていた長身のおっちゃんが私の代わりにタクシーを呼んでくれたけど、ドライバーはモスクまで往復&待機を20RMでという私の申し出に応じず(45RMでならいいという)交渉は決裂した。

20~30RMで交渉してみましょう、とネットに書いてあったのでそれ以上は私はまったく払う気はなかった。
マラッカは世界遺産で観光地化されており、大勢の中国人観光客が大挙して押し寄せているから、街を散策していても少し高めかなと感じていた。

タクシーから戻っておっちゃんに「(せっかく電話かけてくれたのに)ごめんなさい」と謝ると
「20分待ってくれたら私が連れてあげよう」
というの。


人生初めてのモスク。
靴を脱ぎ敷地内に入ると肌と髪を隠すブルーのケープをつけてもらった。

ぱしゃぱしゃと写真を撮るおっちゃん。
彼は生まれも育ちもマレーシアだそうでお顔立ちは中華系。50代かなぁ。
彼も初めてこのモスクへ来たみたいだ。
Floating Mosqueはマラッカ海峡をのぞむPulau Melakaという人工島に浮かぶように建つ。
海を越えたらそこはインドネシア。スマトラ島。

モスクは白い壁の格子状の窓とステンドグラスが美しかった。

2015/06/25

チョウキットマーケットでローカル巡り

クアラルンプールに来て2日。
チョウキットマーケット Chow Kit Marketは初めておもしろいと思える場所だった。



フルーツ専門の一角。
甘ったるい香りと呼び込みの声がする。
地元の人がメイン客層のようだった。



ランブータン。500g 2RM。
暑いのでフルーツから糖分を摂る。
後からチャイナタウンでは1kg 10RMで売っていたのを見てにんまり。

その後部屋でパソコンしてペトロナスツインタワーに行ってみた。
高さ452mの双子のタワー。
170m 41階のところでつながっている。
つなぐ必要があるのか。



夜チャイナタウンをぶらっとした。
屋台のおやじさんが中国語でメニューを説明するけどまったくわからない。

外で食べると気持ちがいい。気温が下がってきたみたいだ。
帰りにおやじさんにシェィシェィと言うとにっこりしてまた中国語でなんか言われた。

巡回バスに終点へ行かれる

マレーシアは多民族国家。
マレー系、中華系、インド系、アラブ系、肌の白い人、浅黒い人、すごく黒い人、外国人。
人種が雑多なら街並みも雑多。
「新旧が融合した」と言えば聞こえがいいけど
「草木の手入れをしてなかったので勝手に伸びてしまいました」というような街並みをしている。
道は汚い。廃墟みたいなものもあるのに超近代的な高層ビルも多い。
マレーシア人は古いものと新しいものどちらが好きなのか。
たぶんいろんな人種・宗教の人と暮らし経済発展するうち「ごちゃ」っとしてしまったのだと思う。

今日は気温34℃、湿度59%。
この中をただやみくもに歩くのはやめた方がいい。
ぶらぶらするのが好きだからついやっちゃうけど暑くてたまらない。

なんとなく清潔そうで、そこそこ人もいる白い壁とファンの回る店で食事をした。
けげんそうなおやじ。
マレーシアの人は怒ったような顔をしてる。
魚肉だんごとたまご麺のヌードルとコーヒーを頼んだ。

クアラルンプールにはKL City Busという市内を巡回する無料バスが4ラインも走っている。
バスを乗り継げばどこでも行けるという触れこみで市民や旅行者も使っているらしいのだけど初心者にバスとバスを乗り継ぐことができるわけがなかった。

車内は冷房がんがん。
爆音のマレーミュージック(運転手の趣味による)。
バスがビューンと飛ばすので両手で棒につかまっていても転げそうになる。
途中、六本木をぐっちゃっちゃにして飾ったような繁華街ブキッビンタンを通った。
超近未来的で映画に出てきそう。おどろいた。

突然、ワキガのにおいがした。隣に立っている人がつり革につかまっていた。

場所が分からなくなり、しょうがない分かる場所まで乗っていようと思ったら、バスは巡回せず(巡回路線から外れたことさえ着くまで気づかず)、バスターミナルまで行って止まった。
みんなわらわらと降り、私も物知り顔で歩き出した。
ここはどこだ。
おっちゃんが私の地図のある場所を指さした。後から知ったけどそこは違っていた。(私はもっと遠くのバスターミナルにいた)
19時すぎてる。
だんだん辺りが暗くなり、Twin Towerが白く光り始めた。
暗くなる前に帰り道見つけたい。
ターミナルに停車したバスは一向に走り出す気配はなかった。

頭上を見上げるとモノレールのレールがあり、少し先に屋根が見えた。
あれ、駅かも。

モノレールを見つけた。いろんな人に聞きながら乗り継いだ。
もう恥もなくなっていた。

20時。見慣れた駅だ。おなかがすいてきた。
ゲストハウスの隣の中華料理店でごはんを食べよう。

バックパックに砂をつけ

バックパックカバーにベランダの砂を塗りつけて汚してみた。
荷物を入れて背負ったまま体重計で測るとプラス7kg。
あぁ、妹の赤ちゃんより軽いのに重く感じる。これは荷物だから。
靴は一足しかもっていけないな。
みんな45Lとか60Lのバックパックにしたら、そりゃ重くなる。
駅に行くだけで汗が滲んだ。顔が熱い。

エアアジアの23:45発クアラルンプール行き。
手続きで私の前に並んでいた細くて美人のアジア人の女の子の隣は、太め汗だらだらの欧米人でふたりの空気はよくなかった。
私の隣は茨城でソーラーパネルの仕事をしているインドネシア人の男性だった。
マレーシアからジャカルタまでまた飛行機、ジャカルタからジャワ島のソラ?(どこ?)までは8時間かけて列車に乗るという。
「日本人とマレーシア人は考え方違うから」
と前置きしたうえで
「「19歳とかハタチくらいで結婚した方がいいよ」」
って。

2015/06/08

「青いパパイヤの香り」

青いパパイヤの香り
青いパパイヤの香り ニューマスター版 [DVD]

1951年のサイゴン(ベトナム・ホーチミン)を舞台にした1993年の洋画。
ベトナム・フランス合作。

使用人として勤める家に10歳の少女ムイが出向くところから始まる。
青いパパイヤよりもおフランスの香りがした。
壺にためられた水、水の中の草木の緑、虫や蛙などの動物、そしてパパイヤの実が象徴的に登場する。
食事のシーン、ご飯を炊いているシーンはアジア人には馴染みやすいが、フランス人を始めヨーロッパ人には暑いベトナムの異国情緒を感じられる映像だろうか。
ちょっぴり退屈だった。

ピントは奥の人物に合っているけど
ぼけた格子状の窓や植物の葉が視界を遮り、覗いているような、ベトナムの夏の雰囲気を出しているような、そんな感じに映る。

ムイの子どもの頃、とてもかわいい。この映画のジャケットは私が映画をよく観ていた頃よく見かけたものががとても大人びているから彼女が大人だと思っていた。ムイの大人版には正直あまり入りこめなかったかな。(そもそも「そして〇年後…」という映画は苦手だけど)

青いパパイヤのサラダ食べたい。

「紙の月」

紙の月
紙の月 DVD スタンダード・エディション

おもしろかった。
これほどまでにスーツで自転車に乗るのがかっこいい女性っているだろうか。宮沢りえさん。この人は努力しているんだなと思った。
あまり映画の中の犯罪者に肩入れすることはないけれど彼女の場合はなぜか、がんばれ、逃げろ、と食い入るように画面に見入ってしまうような犯罪者だった。

電車のシーンが多い。(深夜の撮影で大変だったと言っていた)
電車の風っていいよね。何か都会の得体の知れないものから追われている感じがする。

大島優子、小林聡美などほかの役者さんもよかった。

2015/05/27

「仕立て屋の恋」

仕立て屋の恋
仕立て屋の恋 [DVD]

「むりだって。あきらめな」と思いながら観ていた。
これぞ究極のフランス流片思い。
仕立て屋の恋はあまりにも一方通行…。
自分を愛してくれない人となどなぜいっしょにいたいか。

仕立て屋のことが好きになれなかった。
自分の中に閉じこもり周りの人にやさしくない人の恋愛はこうなる、と監督の悪意さえ感じるけど。
音楽がちょっとわざとらしく感じてしまった。

同じ覗きものなら「裏窓」をどうぞ。

2015/05/26

「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」

WOOD JOB!~神去なあなあ日常~
WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~ DVDスタンダード・エディション

WOOD JOB!!
おもしろすぎ。ゲラゲラ笑ってしまった。
染谷将太、都会から来た青年。ちゃらちゃらしているけど林業の研修生。
この子いいなあ。
山の男、伊藤英明がもんのすごくかっけー。
伊藤さんは海の男から山の男になったのか。どっちにしろかっこいい。

川の水をおしゃくでくんで飲んだり、緑がとてもみずみずしくてうつくしい。
おそろしさも、気まぐれさも山にはいろんな表情があるんだね。
「林業は結果が出るのが死んだ後」
数十年、数百年経った木を切る。ご先祖と山の神に感謝しながら次の世代のために切るんだね。
木って男根のようだ、やっぱり林業は男の生業なんだろう。


2015/05/25

「カムバック!」

カムバック!
カムバック!

ダンス系の映画をけっこう見ている。
若干下ネタがえぐいけれど「カムバック!」軽い感じでおもしろかった。
ダンスはサルサ。サルサミュージックは耳になじむ。
子どもの頃サルサで天才的才能を発揮した少年。
サルサをやめて25年。メタボになっていた。

痩せないままサルサを踊るのがいい。(ダイエットがテーマではない)
ゲイの中東系のお友だちがナイス。
(彼の英語は聞き取りやすい)
彼が服の素材について説明するシーンがよかった。
体のラインや動きをきれいに見せたりその人をすてきに見せたりする素材の選び方って大切だなって思った。

2015/04/17

おやつとお夕はん


小豆を煮ないと。と思っておしるこを作った。
ザラメを使ったら、ほんとうにあっさりした甘さに仕上がって満足。
餅は魚焼きグリルで焼きました。じーっと見ててぷっくりしたら裏返し。


久しぶりに夕ごはんもマジメに食べようと。

かぶと豚肉の煮物
踊りすぎた玉ねぎと絹豆腐のサラダ
お味噌汁
納豆

さいきん野菜が高くて100円以下の野菜が少なくてあまり買えない。
かぶの煮物はにんじんと凍らせたこんにゃくを加えて彩りよく食感もちがって美味。
ちょっとあんをつけすぎちゃった。
サラダはノンオイルにしたいと思って
柑橘系(はっさくか何か名前忘れた)をちぎってポン酢みたいにした。
お味噌汁の具は油揚げとかぶの皮です。
ごちそうさまでした。


2015/04/13

荻窪東宝「ウルトラQ 29話」


お客さんからいただいた。
1966年の日曜日の19時お茶の間でテレビ放映されていた「ウルトラQ」。
の、29話目を自主制作したそうです。(本物は28話まで)

パッケージからとても凝った作りで、テレビドラマだった風にCMが差し込まれたり、ほんとうに1966年の日曜日の19時にタイムスリップしたかのような。
主題「盗まれた時間」という時空のテーマに重なるよ。
昭和に撮ったように現代で撮っているとこがまた時空がこんがらがる感じ。

ウルトラQというドラマは私は知らないけどウルトラQへの愛が感じられた。
モノクロってカラーよりも質感がよく出るのね。
白い壁でもただの白と思えず、ボコボコやざらざらが見えるの。
ご丁寧に予告編、メイキングまでついて大爆笑。
昭和の映像の雰囲気と特撮と、お客さんの好きなものがいっぱいつまってました。

自作「ウルトラQ」製作日記

2015/03/30

「ヴィオレッタ」

ヴィオレッタ
ヴィオレッタ [DVD]

母が撮った娘の写真は芸術かポルノか。

コワイので苦手なイザペル・ユペールが愛情表現に問題のある写真家の母親を演じている。
そして、ジャケットの美少女が母の愛を得るため写真を撮られる娘。
ものすごく美形。脚がすごく長い。
ゴシック・ロリータできわどく、魅惑的。

愛されて育たなかった女とその子のいびつな関係。
それがポルノか芸術かを通して描かれていたのは愛着障害の物語だった。
精神科医の岡田尊司さんには「母という病」としてこの親子の関係を語ってもらいたい。

母は自身の母バアバとも不自然な親子関係にある。
彼女は母を家政婦のように扱い、見捨てる。

少女は母に気に入られたい一心で写真撮影に応じる。
「抱いてくれないじゃない」のひとことに「抱いてって言った?」
ヴィオレッタ、愛してる、私のお姫様と口にする母の行動は、愛してるとかお姫様とは言っていなくて、少女は混乱し、葛藤する。
少女はまだ小さな子どもなのだ。

思ったより見やすい映画だった。

2015/03/24

「ムトゥ-踊るマハラジャ」

ムトゥ 踊るマハラジャ
ムトゥ 踊るマハラジャ[DVD]

1995年のインド映画!

再生ボタンを押した瞬間から目が釘付け。
予告でさえ怒涛の勢い、シャー・ルク・カーン主演映画3連発。だれやシャー・ルク・カーン(インドの超国民的大スター)


「ムトゥ」はオープニングから歌とダンス、インド風ギャグにカンフーあり、ラブロマンスあり。
ダンスシーンでは原色の衣装が美しく、歌も同じフレーズを繰り返し。歌詞がインドの国民性を象徴しているような人生観にあふれていた。
雰囲気を盛り上げすぎる効果音!
風!
馬車!
ムトゥ演じるラジニカーントが最強。
やさしい目つきも怒った目つきもキュート。キレッキレッのダンスにカンフーの達人。
舞台女優のラングもとってかわいい衣装で甲高い声で歌うのはインドでは美声とされているのかな。

インドは広い。舞台はタミル・ナードゥ州という南部の州らしい。隣の州へ行けばもう言葉は通じない。

ラジニカーントのWikipedia開いたら、「生まれ:バニビラス病院」。妙に具体的。

2015/02/26

ラ・ブラスリー@飯田橋

飯田橋のアンスティテュフランセ東京内にあるレストラン「ラ・ブラスリー」で食事をした。

春の温かい時期や初夏にはテラスももっときもちがいいかも。
フレンチですが、食べやすく、彩りもきれいで、雰囲気もよくとってもよかったのです。
前菜のサラダのソース、オリーブオイルの香りが好きな感じで、お野菜たっぷりですべておいしくいただきました。
お酒も飲んだらお話も弾んでもっといいかも。
ちょうど天気がよくなく、きっと空いている日だったのだろう。それもがやがやしすぎていなくてよかった。

アンスティテュフランセ。また行きたい。

2015/02/21

「シザーハンズ」

シザーハンズ
シザーハンズ(特別編) [DVD]

早く帰宅した日、普段見ないMXで古い映画をやっていた。
シザーハンズ。15年ぶりくらいに観た、と思う。

ウィノナ・ライダーは恐ろしくかわいい。
メイクもおもちゃみたいなオレンジ色のチーク、オレンジ色のリップ!
この頃の米国映画はすべてハッピーエンドではないんだね。

「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? [DVD]

以前からタイトルは知っていたけれど観る機会がなかった。
1995年、岩井俊二監督はこの作品で有名になったのね。
50分なのですぐ観れた。

ちょっとませた子どもたち。
山崎裕太、奥菜恵が小学生役。かわいい、初々しい。
学校のプールの青と蝉の声がする。
台詞のテンポと夏の町の風景と色彩。


こんな真冬に観て、すぐに花火大会に行きたくなってネットで浴衣を探した。

「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」
好きな人と見たいです。

2015/02/17

「17歳」

17歳
17歳 [DVD]

 フランソワ・オゾン監督の映画を観るのは賭けに近いけど当たりだった。
主役の17歳少女を演じるこの子。
見てよ。男なら誰でも300ユーロ払っちゃうよ。(なんなら500でも)
きれいすぎて、物憂げな。彼女の魅力がなければこの映画はなりたたない。
彼女は父親ほどの年齢の離れた男とネットを通じて知り合い売春するわけだが…。
「最初は楽しくなかった…」
「またやりたくなった…」
「金が目的?」「いえ」
「自分の価値を知りたかった?」「いえ」

なんのために売春するんだろうねぇ。
なんのために買春するんだろうねぇ。それは同じことをさしていると思う。
ストーリーは9割型よかったけれどシャーロット・ランプリングが突然登場!!
彼女が好きなのでうれしい反面困惑した。
カメオ出演にしても映画のストーリーそのものを左右する登場の仕方で、なんやこれ!!
フランソワ・オゾン流のハズしなのか、これがおフランス流なのか。

「8人の女たち」
「スイミング・プール」

「スティング」

スティング
スティング [Blu-ray]

1973年製作。
イカサマ詐欺師のロバート・レッドフォード。
昔のスクリーンの中の俳優はやっぱり観客をだましていたね。
(こんな美形で長身の詐欺師、映画の中にしかいないもの)
そういう意味ではさいきんは手が届きそうもない俳優っていない気がする。
ロバート・レッドフォードもさわやかだけどポール・ニューマンの方がかっこよかった。

作戦に、台詞。競馬実況のおじさんが重要な役どころ。
イカサマがばれるんじゃないかとひやひやした。
「のちのち騙されていたのかと気が付くくらいのイカサマをやろう」と言って
あの結末。おもしろかった。

2015/01/23

祖母の腰椎が折れた

祖母の腰椎が折れた。
転んだの?と私は聞いたが
風邪をひいていて咳をして、痛いなぁ痛いなぁと思っていたらしい。

私は初孫。おばあちゃんがおばあちゃんと呼ばれるようになって三十数年が経っているのだから、彼女はもう咳をすると骨が折れるくらいの年齢になっていたのだ。

「おばあちゃん、もえから電話がかかってきて、涙が出るほどうれしいよ、みんなにもやさしくされて」
。目を赤くして泣いているのが分かった。
私は「自分のことだけ考えればいいんだよ」って言った。
電話を切った。

2015/01/20

「ドライヴ」

ドライヴ [DVD]
ドライヴ [DVD]

映画ライター高橋ヨシキさんいわく。
この映画のニコラス・ウィンディング・レフン監督が色盲だそうで(最新作はそれが色濃く出た映像美のある映画らしく)興味をもち、借りてみた。

Drive。ヴィヴィッドなピンクの字体。かっこいいねぇ。
ライアン・ゴズリング。ちょっと顔が長細いが、じわじわくる感じのイケメン。
言葉すくなで、しごとは映画スタントと車の修理。夜に怪しい仕事をしてる。
ニコラス・ウィンディング・レフン監督の映画は「観る人を選ぶ」とさんざん書かれていたのでどうかな、と思ってたけど
音楽や説明のない画(海外ドラマっぽい色だと思った)に私は退屈しなかった。
前半、彼女との距離が縮まっていく過程は淡いロマンティックさで好きな感じだった。
その分、後半暗いーーー。
引き返せないところまでいく主人公。
ドライヴなだけに一体この人どこにいくんだろう…。
孤独で寡黙なDriver。心に暗さと暴力性を秘めているところにキュンとしてしまうな。たぶん少数派かな。
ライアン・ゴズリングさんの綺麗な横顔が目に焼き付いた。

「裏窓」

裏窓
裏窓 [DVD]

1954年製作。
足を骨折して休業中のカメラマンが、裏窓から隣人たちの暮らしを覗き見していると…というところから始まる物語。

ジェームス・スチュアートのあの長い脚が骨折しているのである。てーへんだ!
彼はチェアから一歩も動かないどころか終始うたたねをしている、裏窓から覘きをしている、ナースに背中をマッサージされている、のどれかなのだけどジェームス・スチュアートが演ると
ほんとうにおもしろい。眉の動き1つとっても魅せられてしまう俳優さんなのだ。

ひとつの無駄な台詞がなく、ナースとのコミカルなやりとりがとてもユーモラス。
グレース・ケリー演じる主人公のカノジョとの結婚に乗り気でなかった主人公だが
「身一つでどこへでも行き、何でもする女性がいい」
と言ったとおりに実際彼女はそういうタイプの女性に変身している。
このナースがいい味出しているのね。

裏窓から覗き見る夫婦の部屋、グラマー女性の部屋、作曲家の部屋、独り身の女性の部屋、新婚カップルの部屋。カメラワークが秀逸で、ほんとうに覗きをしているみたいだ…。
部屋にいるといろんな声や、音楽、音が聞こえてくるものだ、余計な音楽をつけてないのがリアリティを感じさせていいみたい。

ジェームス・スチュアートは不思議な俳優さんだ。
あれだけ人間離れした美形の人なのにちょっとヘンタイぽい普通の人を演じられるのがすごい。