2019/11/04

唐辛子の毒で殺されそうになったおばさんの話

インド・デリーの大気汚染が災害レベルだとニュースで見て、急にタイ・バンコクのホステルで出会った、インドで唐辛子の毒で殺されかけた(本人談)スイス人のおばさんのことを思い出した。

おばさんとはバンコクのホステルで出会った。
1階ラウンジはフロント兼カフェになっていて、居心地の良いソファーがいっぱいあって、くつろいだり、一日中パソコンをしたり、知らない人としゃべったりするにはいい場所だった。
ホステルはひとりで来て泊まっている人が多かった。
私は5泊くらいしていたと思う。


スイス人のおばさんは、背が高くすらっとしているけど白人特有に肌がくたびれていてシワシワだった。
おばさんはインド人と結婚していた。30年前に30才前後のときに。
インド人の夫は、髪がビロードのように輝いて"Charming"な人だった、と。
思い出してうっとりしながら話すおばさん。

まだ若いスイス人のインドでの新婚生活。
夫の両親はよくしてくれたが、慣れないのはスパイスのたっぷり入った食事。
カレー以外に、自分の食事は自分で作っていたが、夫の母が、毎回毎回、料理に唐辛子を入れるので、辛くてたまらないし、そう毎日辛いものを食べられない。
毎回毎回。
自分の作った料理にも入れるものだから、胃が火を放ちそう、焼け焦げそうだった、胃に穴が空きそうだったのよ、と言った。
私はどんな相槌をしていいものやらだった。
だんだんとおばさんの顔がおそろしい。

ラウンジのソファーにはクッションがいっぱい置いてあった。
おばさんがクッションをひとつ手に取り真ん中に手をぐりぐり突っ込んで、胃に穴が空きそうだったのよ、と。
胃が火を放ちそう。焼け焦げそうだった。唐辛子の毒で殺そうとしてたんだわ、と言った。
”She was poisoning me!”ポイズン、とはっきり聞き取れた。
その後Charmingな夫とは離婚。

以上、タイを旅するスイス人のおばさんでした。

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