2011/06/21

「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」


もうそろそろ返さなきゃいけないので慌てて「ヴィヨンの妻」を観た。
とってもよかった。
室井滋が出ていると知らなかった。
松たか子がかわいくて、けなげで、一途に無償の愛で生きている人。
「おかみさんが坊ちゃんに食べさせなさいって桜桃をくれたんだ。なのにこの父親は自分で食ってる」
浅野忠信(才能はあるが酒を飲んでばかりいる死にたがりの作家)はほんと情けない。
どちらかと言うと私はこの人に感情移入する。
「夫に他の女と心中された妻は一体どうしたらいいのでしょう。ただおろろとうろたえるだけなのでしょうか」
殺人未遂(自殺幇助)で留置所に入れられた夫に、訴えかける。
彼は子どものような人で自分のことで精一杯で、人の愛に気が付かない。
そんなだめ男に惹かれそれでも幸せだと自分で納得しているから成り立つ。
だめ男と付き合うにはこの人のように強くなきゃいけない。無理だなこりゃ。
「ただ愛せ」と人から言われて、その言葉の意味が分からない。
自分のしたいようになんかできなく、わがままに見返りを期待してしまう。

2011/06/20

「イエスマン」

知人の家で映画を観た。ジム・キャリー主演「イエスマン」

何でも"No."で片付けてきた人付き合いの悪い銀行員の男が、
"YES."と言っているうちに(たとえそれが意にそぐわない頼みごとでも)人生が変わる、っていう映画なんですが
なかなかおもしろかった!

相手役の女優さん(ゾーイ・デシャネルさん)が超かわいい。
アブリル・ラヴィーンを黒髪にしてフランス人形みたいにした感じ。
劇中でへんなガールズバンドを組んでいるのだけどそれが超ツボでその名も「ミュンヒハウゼン症候群」。
YES MAN - "Uh-Huh" Muncausen by Proxy

2011/06/19

「スイミング・プール」


シャーロット・ランプリング リュディヴィーヌ・サニエ 監督:フランソワ・オゾン 仏英合作
どこかに「ミステリーと言うよりかはミステリアスな映画」と書いてあった。
確かにミステリアス。
さらさら流れる静かな音楽も雰囲気があり、南仏の緑と太陽がまぶしくて、このおねぇちゃんの完璧な裸もさることながら、
主演のシャーロット・ランプリングという女優さんが、ミステリー作家の役なのですが神経質そうで角度によっては老けて見えたりしておばはんとか言われる訳なんですが、意識が変わった後はとても綺麗。
なんてことなく食事しているシーンや、真っ暗なベランダで風の匂いを嗅いでいるシーンや、何もないけど計算されたシーンの雰囲気があって、ときどきスイミング・プールのブルーが目に飛び込んできてとても綺麗。そして、最後にはっとした。

2011/06/18

「ブラック会社に勤めているんだが、もう俺は限界かもしれない」

http://black-genkai.asmik-ace.co.jp/

非常に深刻な内容ながら、おもしろおかしいコメディ調なので、まったく深刻ではなくなっています。
携帯片手にポテチをポリポリ、ピンセットで眉を整えながら見るような映画で
不当な解雇とか違法な働かせ方とかニートとかワーキングプア等の問題に対して何かしようとかそういう意図はまったくない。

「世界名作映画全集 4 モロッコ」

マレーネ・ディートリッヒ ゲイリー・クーパー

1930年(昭和6年)日本で初めて字幕スーパーがついた映画だそうで
私にはちょっと退屈してしまった…(酒を飲みながら観ていたせいもある) ゲイリー・クーパーはどこかで見た事がある、たぶんヘップバーンの映画かな。
ひとりだけ頭ひとつ+肩分背が飛び抜けて高く(192cmらしい)顔も小さく男前。
マレーネ・ディートリッヒの映画は初めて見た…やたらでかく自信満々で、彼女の方も男前なんですが
正直どこがいいのか全然分かりません。

携帯でいつでも繋がる現代ではつまらなくなったラブ・ストーリー。
ラブ・ストーリーの肝と言えばすれ違い。
すれ違ってばかりでもどかしい。
勝手に行っちゃう。追いかける。いない。探す。探したけれど見つからない。書き置きをする。
好きとか言わないのでもどかしい。
それがいいんだよって感じなんでしょうけど、割とストレートな言葉を待ってるお子ちゃまな私にはもどかしすぎた。
モロッコが暑いらしく(白黒なのでなんだかよく分かりませんが)扇子でしょっちゅうぱたぱたしている。
台詞がなく、目で語る。

2011/06/15

「ブラックスワン」



http://movies2.foxjapan.com/blackswan/
思ったとおり、怖かった…!
R指定ってだけでこわい。
映画館のスクリーンがでかすぎて、怖かったです。
しかし、DVDで観てもおもしろさはないだろうから観てよかった。

隣の席のレジ袋を持ったおばさんが息を飲むのが伝わってきた。
私もときどき目をつぶってしまった…!
反対隣からその場に不釣合いなほど甘ったるい香りを放つキャラメルポップコーン。


主人公は非常に精神的にもろく、激しい感情表現ができないバレリーナで
かなり後半までずーっと弱いままだった。
あんなだったら、主役どころか舞台のメンバーからもほっぽり出されると思うんだけど。
自分の殻を破って精神的にも黒鳥になる。
お母さん役の方もけっこー怖い。顔が怖い。

2011/06/11

「告白」

http://kokuhaku-shimasu.jp/index.html
松たか子 岡田将生 木村佳乃 原作:湊かなえ

原作の小説の方がおもしろかった。
ひとりひとりの「告白」から成っているが、
この人は自分に都合のいい事しか言わないな、とか
この人は嘘をついているな、とか
この人は自分に陶酔しているだけで周りが見えていないな、とか
そういう事は小説の方がよく分かった。

内容を知っていて観たからかもしれないけど
限りなくおそろしい話なので陰鬱な気持ちになるのは間違いない。

ひとり娘を勤務先の校内での事故死で失った教師(松たか子)が、「私の娘はこのクラスの生徒に殺されたんです」という告白をするところから始まる。
教師の告白後、学校に出てこなくなった少年B(出てこられる訳がない)に何も知らない後任の熱血バカ教師が
「みんなでお見舞いの色紙を書こう!そうしたら彼も元気に通学できるかもしれないじゃないか!」とクラスのみんなにいらん提案をする。
出てこない理由を知っているクラスのみんなはバカに付き合いとっても楽しい色紙を書く。
しあわせっ、ネバー・ギブアップ、うんぬんかんぬんと・・・本当のメッセージに少年Bの母親木村佳乃があるとき気が付いてぎゃあああああああってなります。
狂気の木村佳乃が最高。

「スラムドッグ$ミリオネア」

遅ればせながら「スラムドッグ$ミリオネア」観たけどすごくよかった。
観ていない人はきっと観た方がいい。
http://slumdog.gaga.ne.jp/

インド・ムンバイのスラム街育ちの少年がテレビ番組「クイズ・ミリオネア」で最終問題まで正解していくが
不正を疑われ警察に連衡される。
宗教対立で母親を目の前で殺され、兄とともにマフィアから命からがら逃げてきた生い立ち。
マフィアに目を潰され物乞いさせられる幼い子どもたち。貧困。
逃げる途中で置いてきた少女ラティーアを一途に想う。

全体としてはLove Story。女の子(少女の頃のラティーアと大人になってからも)がかわいくてきれい。
スピード感のある映像と、音楽がよかった。
最後、インド映画みたいに踊り出す。

 Music video by A.R. Rahman, The Pussycat Dolls performing Jai Ho