予告編を見て、ニッポンの歌謡曲が流るるのである。
何だこれは、と思い
ピンク色でメルヘンな映画パンフレット。マジカルガール。なにか不思議で夢心地な出来事が起こりそうなタイトル。
「魔法少女ユキコの始まりは悲劇。」とある。
それを読まずに、この映画を観た奴は甘いッッ!
同じスペインの映画監督アルモドバル絶賛とあったから、水曜日の映画デーに有楽町へ駆けつけた。
劇場内は、サービスデーにもかかわらずお席が1/3も埋まっているかどうか。
すくねーな。厳しい映画業界を垣間見る。
マジカルガール、本編は、うえええええー、と最後が気になりながら唸り続ける。何?何?何?
想像しても、息を飲む。
白血病で余命いくばくもない愛娘に、彼女が大好きな日本のアニメ魔法少女ユキコのドレスをプレゼントする元教師の父親。
はたまたそのドレス代はどうやって稼いだか。
何?何?何?
一体だれが悪いんだ。
お父さんがいちばんわるい。
精神科医の夫もわるい、きがする。
途中、夫席の1/3しかいない観客の中に怠惰な気持ちが流れ込んで、隣の人がため息ともつかない吐息を漏らし始めた頃、どかーん!!と一発打ち話された。
悲劇ながら、なんとなく滑稽で、
ブラックすぎる、とは言っても、憎めないような、可笑しいような、でもぜんぜん笑えないような、不謹慎にも笑ってしまいたくなるよ
うな映画だった。
スペインのおしゃん映像に流るるニッポンの歌謡曲があたらしい。
魔法少女ユキコ…
裏の主人公は、女難の相があるとしか言えないパズルの教師、真のマジカルガールは犯罪の肩をもつことになる少女だった頃のバルバラだ。