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2018/07/22

「なくなりそうな世界のことば」



本屋さんをぶらぶらしてこの本を見つけた。
なくなりそうな世界のことば。
とてもいい。
時代の流れとともにもうあまり使われなくなってしまったことばたちが、牧歌的なイラストとともに紹介されている。
そんなこと、そんなものにもそれをさす名前があったのか、と静かに驚く。
それにしか使えない。それにしか使わないことばがたくさんあるね。


「水曜どうでしょう」を見ていたら、同郷の大泉洋さんが、方言の話をしていて
「”手袋をはく”は使うね」と言っていた。
「それしか言いようがないもんね。(他県出身の)妻まで使うようになってた、便利なことばなのでね」
と言った。
標準語で言えば、手袋ははめるものでしょうが。
冬、雪が降って寒く、指先がかじかむ日、北海道では手袋はやっぱりはめるものはなくはくものなのです。

いずい、とかも。
標準語で言えば、「いたがゆい」となるのかもしれないこのことば。
目などがゴロゴロして違和感がある状態をさす。
厳密に言うといずいはいずいでしかない。
いたがゆい、とは少しニュアンスが異なる。
そういう「言いえて妙」な言葉が方言や世界中の少数派の人たちしかもう使わなくなった言葉の中にいっぱいある。
この本はそういうことばを紹介している。
それは宝物だと思う。

メジャーなことばなのかもしれないけど、横断歩道のことをアフリカのタンザニアでは「ゼブラ」と言うらしい、と最近知った。
アフリカの他の国でも言うのかもしれない。
アフリカ以外の他の国でも言うのかもしれない。
私は初めて知った。
特別な響きをもつ、言葉を忘れずにいたい。

2014/11/11

「さいごの色街 飛田」

さいごの色街 飛田
井上理津子
さいごの色街 飛田

久しぶりに本を読んだ。ちょっと最後までは読めなかったのだけど…。

飛田とは、大阪にあるなにかと説明しにくい町。今でも撮影禁止。
飛田の店は、表向きは料亭を名乗って、二階へ上がればやることひとつ。
売春をよしとしている町である。
おもしろいのがその名目で、客は「料亭」でおねえさんと恋愛関係に陥ったから、二階へあがっていってセックスをするのだと。

飛田が他の町の繁華街とちがっているのはセックスに特化しているということ。
昭和中期にそんな不思議な町が存在していた。

本を書いたのが女性だったからおもしろく読めたかもしれない。男が書いたものだったならきっと嫌悪感を感じる部分もあったと思う。


飛田に年間何百日と通ってあるときからまったく行かなくなったという男性を取材した箇所で、
男性がいうには、
飛田には銭湯があり飛田に行く前男たちはそこで体を洗い、そして飛田から帰ってきた後も体を洗いにやってくるのだという。
「たくさんの男とヤッた女の子とヤッたわけだからきもちわるいやんか」
酷いこというなぁと思うと同時にそりゃ当たり前だとも思ったの。
きもちわるいと思いながらも、また通ってしまう飛田の魅力。男のサガ。ビジネスの神髄。
いろいろなきもちが混ざり合って、妙に印象に残った。


私はたぶん、飛田で働く女の子にシンパシーを感じてこの本を手に取ったのだと思う。
また機会があったら飛田について調べたいと思う。

2013/01/18

二村ヒトシ「恋とセックスで幸せになる秘密」

恋とセックスで幸せになる秘密
恋とセックスで幸せになる秘密

自己肯定と心の穴について書かれた本。
AV監督という男目線社会の極みにいる人が書いてるというのがおどろく。とてもためになる。

人は自分にそうするようにしか人から愛されない。
愛されてーーーーよーーーー、誰かこのろくでもない自分を愛してくれよーーーーーーと思って
男の人に料理を作ってあげる!フェラチオをしてあげる!なんならマッサージもしてあげる…!
とやってると自分を愛していない(自分を肯定していない)恋する女はだんだんと疲れてくるわけだね、うん。

自分のカラダを愛させるためのえさとして提供していないか?してるわ。めっちゃしてるわ。そうする以外に愛される方法を知らないから一生懸命やるんだけど全然愛されない、どころか恋愛は破たんする一方、自分は醜くなる一方。

それってなぜなの?泣 という理由がこの本に書かれている。

そうしてしまう自分の習性を心の穴として説明してる。
そうしてしまう自分が悪いのではなくて心の穴がそうさせてしまっている、と。
そして、私に恋して愛しはしない男の人にも心の穴が空いていた、と解釈する。

すべての人に心の穴があります。と言われるとほっとするね。
自己肯定できない私に育てた親を憎んでいたけど親にもそうせざるを得ない心の穴が空いていたと思えれば
親そのものは悪くないと思えるし、これ以上自己否定せずに済む。

自分を愛しもせず相手の心の穴にも触れようとせずさあ愛してよというのは傲慢だね。
ナルシシズムが強すぎると生きてくのつらい。ナルシシズムを中国語では自恋というらしい日本語だと自己愛だけど
自分に恋をしている状態ではまだまだ他人を愛することなどできない。自分を愛するのが先だね。

2012/12/12

田中慎弥「共喰い」

共喰い

読みました。
純文学ってこういうホンをいうのか。
田中慎弥さんの芥川賞受賞会見でのひねくれ感を見てこの人嫌いじゃないと思った。
が田中さんと付き合ったら目を見て話をしてくれなさそう。シャイで。愛してる?と聞いても「ん」しか言わなそう。
…。
小説は暗かった。
釣りが好きなようだ…。途中で魚の漢字が読めなくなった…。私が生まれるもっと前の昭和ぽかった。
性や暴力の表現は読み慣れているから嫌悪感はなかったが(お母さんが読んだら「女を何だと思ってるの!」と怒り出しそうだ)
緻密な心理描写を期待していた私にはとっつきにくい小説でした。

2012/10/27

ブラティスラヴァ世界絵本原画展 @ 千葉市美術館

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活字を読めないときでも絵本ならすぐにその世界に入っていくことができるから絵本が好き。
先日実家に帰ったときも、埃をかぶった「ちびくろ・さんぼ」を読んできた。

ブラティスラヴァ世界絵本原画展は チェコ・スロバキアだった時代から続く絵本の原画コンクールだそう。
ブラティスラヴァはスロバキアの首都の名前だそう。
とてもすてきな展示だった。
繊細なタッチの原画をまじかで観られた。
出版された本も横に置かれていたので大人もみな読みふけっていた。
私は子ども審査員賞を受賞したという日本人いまいあやのさんの「くつやのねこ」が一目で気に入った。

くつやのねこ
いまい あやの
4776404141

その日は雨でとても寒く、私の内側にも雨が降っていて、そんな気分だったから、あたらしい色とりどりのたくさんの絵本に触れることができて気持ちが穏やかになった。

2012/09/30

「遺品整理屋は見た - 孤独死、自殺、殺人…あなたの隣の現実にある出来事」

行旅死亡人データベースというサイトがある。
身元不明で引き取り手のいない方の情報が日々あがってくる。中には死後発見されるまで何年も経過していて白骨化していたり、お名前はおろか、性別、年齢さえ分からない方々もいる。
人間はひとりでは生きられない。
決してひとりで生きてきたわけではないのになぜ亡くなってからも何年もひとりでいる人がいるのか?
驚くと同時にその現実が虚しい。
これ以上に哀しいことってない。
祈り、その見知らぬ方に想いを馳せるような気持ちでときどき行旅死亡人データベースを見てる。

何かの拍子に見つけた遺品整理の仕事をしている方のBlogを貪るように読んだ。
主に自宅で人知れず孤立死した方の遺品整理、お部屋の状態がよくない場合の清掃、消臭などをやっている会社キーパーズの代表吉田太一さんのBlogだった。
それを本にしたものを読んだ。

遺品整理屋は見た!
吉田 太一
4594052320

ショッキングな内容ながら、故人や遺族、関わった人すべてのこころに可能な限り寄り添おうとする吉田さんの思いが丁寧な文体から伝わってきた。
常軌を逸した死臭のこもる部屋での作業や、憔悴しきった遺族へなんと声をかけたらいいか、ときに腹立ち紛れに吉田さんに不平不満を言ったり、怒鳴り散らす人もいる。
そんな中でも常に人を想う気持ちを忘れないこの方をすばらしいと思った。

本の中で、これからますます増えるであろう独居老人の孤立死について何か対策がないか思慮していた。
近頃ではまだ働ける年齢や若年層でも孤立死する人が増えている。
もう個人的な問題ではなく社会全体の現実的な問題として、私にも誰にも迫ってきている。
私は非社交的でひきこもりがちだしあまり人に優しくないのを自覚しているから自分が孤立死するんじゃないかと思うことがよくある。妹からその事で泣かれたことがあるし…。

Blogには、孤立死しても家族、兄弟、友人、近隣の人、誰かにすぐに気がついてもらえるような人間関係を日頃から作っていきながら今を生きてほしい、とあった。

そうだと思う。偏屈で他人を寄せ付けぬ人格者にならないように生きていけたらいい。
他人を避け恐れながらも、求めているものはやさしさに溢れた「関心」だ。

2012/06/28

しりあがり寿「ア○ス」

Untitled

ア○ス (レヴォルトコミック (1))
しりあがり 寿
492118139X


トモダチを探そうと街に出たナオミ。
だがことごとく失敗し続ける。
表現しがたい悲哀な物語がたんたんと進んでいく。
心の病は脳みその病気である。
ナオミの脳みそはおかしくなっている。
ア○スを読む気になる日と、あまり読みたくない日がある。
読みたくない日は私の○が何かで埋まっている日だ!

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2012/06/09

「サン=テグジュペリ デッサン集成」

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彼は原石のまま海に消えたダイアモンドであった。 ー 宮崎駿
サン=テグジュペリの友人宅では木製のテーブルに彫り物をして来たことのしるしにしていた。
というエピソードが載っていて。いいなと思った。
 
サン=テグジュペリ デッサン集成
山崎 庸一郎
4622072831

2012/06/06

岡田尊司「愛着障害 子ども時代を引きずる人々」

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またこの手の本を読んでいるのかと怒られそうだけど
「愛着障害 子ども時代を引きずる人々」を読み終えました。

愛着という視点が抜け落ちているという現代の精神科医療に対しての岡田尊司さん自身の考えも述べられていて頷くばかり。
太宰治、夏目漱石、ジャン・ジュネなどの偉人の、ときに破滅的な人生もこのような視点から解釈してみると伝記としてもおもしろく読めたが
愛着障害というものを克服した人、失敗した人の例から何かしらヒントを得て暮らしたい。

中でもスティーブ・ジョブズについては興味深い…。
若い頃は荒い性格でドラッグにも身を染めるが、インドで禅スピリットを習い自分の心に浮かんだことに素直に従うことを大切にして、世界を変えた。
「アイデンティティ」の概念を作ったエリクソン。英語も分からぬまま渡米し、借家で児童分析を始めた。
二重の人種差別を受け父親が誰か知らないエリクソン自身にも自分を癒すために人を癒すことが必要だった。
私はこんなでも恥ずかしながらセラピストという仕事をしていて(セラピストという言葉はなんだか好かない)
お客さんに接することで自分を癒してるところがある。可能性に賭けたい。私もエリクソンになりたい。
 承認欲求について考えた。
人々は、認めてもらいたい。
勉強ができる、なんでも知ってる、人をまとめるのがうまい、きちんとしてる、きれい好きだ、料理ができる、
そういうところではない部分で、認めてもらいたいのだと思う。
だらしない、かっこわるい、ほんとはきちんとしてない、情けないところがあってもいいって受け入れてもらいたいの。
受け入れる、そういう人に私はなりたいの。
 
愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)
岡田 尊司
4334036430

2012/05/20

「なぜデザインが必要なのか」

Untitled

いま読んでいる本です。

なぜデザインが必要なのか――世界を変えるイノベーションの最前線
エレン ラプトン カーラ マカーティ マチルダ マケイド シンシア スミス 北村 陽子
4862761208

パラパラめくるだけでもおもしろいし色んな試みがあるのだなと知る。
とても先鋭的。

2012/05/19

アサダワタル「住み開き 家から始めるコミュニティ」



とても感銘をうけてさいきん毎日読んでる本です。

住み開き: 家から始めるコミュニティ
アサダ ワタル
4480878491

渋家、まれびとハウス、八広 HIGHTI、シカトキノコとか

アサダワタルさんがなんでこんなことし始めたのか(僕の住み開き原体験)も書いてありそそる。
巻末の、三浦展さん、田中恒子さんとの対談もめちゃくちゃおもしろくてたまらない。
「住まいを開くことはこころを開くこと」
職、住を一体化し、ときによりできる範囲でパプリックにオープンしていく
震災以降の日本にひつようなセンス。