マラッカを発つ前日、宿のLady Bossがマラッカのバスステーションまで行くバス停を教えてくれた。
昨夜はモスクから聞こえる声や音楽や車の音で眠れなかった。
日照りの中を重い荷物をもって歩くのはつらいのでまだ暗いうちにチェックアウトした。
外は真っ暗でねこしかいなかった。
教えてもらった通りの道を歩いた。
日傘も長そでもいらない暗い道は歩きやすかった。
バス停が見えた。
6時になったところだった。
日の出が7時すぎだから明るくなるまであと1時間もある。
ほんとうに真っ暗だ。
外灯がついていて、ときどき車が飛ばしていく。
マラッカステーションからのバスは早朝から走っているのでそれに合わせてローカルバスもあるんだろうと勝手に解釈していたけれどLady Bossに時間を聞くのを忘れた。
バス停に腰掛けた。
いつ来るんだろう。
7時かもしれないし8時かもしれない。
時間だけがある。
ほんとうに夜かと思うほど暗い。
あと1時間で朝がくるの、バスもくるの。
さりげに曲がり角を眺めてみても他の車が走り去るだけ。
窓から明かりがもれWelcomeと札の下がったホテル。
警備の人に、バス何時に来る、と聞きに行ったが彼は首を振るばかりだった。
何時に来るかなど愚問だったのだ。
バス停に戻りたたずんでいた。
何もすることがない。
後ろに木が茂っているからか痒い。
バックパックの中からムヒとiPodを出したいけど奥にあって出せない。
斜め向かいの中華料理店が煌々と明かりをつけ、調理をしている。
だんだん空が白くなって行き交う車、バイクが増えてきた。
不意に曲がり角からバスが現れ、あっという間に私を連れ去った。
バス停に着いてから55分が経っていた。
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