本屋さんをぶらぶらしてこの本を見つけた。
なくなりそうな世界のことば。
とてもいい。
時代の流れとともにもうあまり使われなくなってしまったことばたちが、牧歌的なイラストとともに紹介されている。
そんなこと、そんなものにもそれをさす名前があったのか、と静かに驚く。
それにしか使えない。それにしか使わないことばがたくさんあるね。
「水曜どうでしょう」を見ていたら、同郷の大泉洋さんが、方言の話をしていて
「”手袋をはく”は使うね」と言っていた。
「それしか言いようがないもんね。(他県出身の)妻まで使うようになってた、便利なことばなのでね」
と言った。
標準語で言えば、手袋ははめるものでしょうが。
冬、雪が降って寒く、指先がかじかむ日、北海道では手袋はやっぱりはめるものはなくはくものなのです。
いずい、とかも。
標準語で言えば、「いたがゆい」となるのかもしれないこのことば。
目などがゴロゴロして違和感がある状態をさす。
厳密に言うといずいはいずいでしかない。
いたがゆい、とは少しニュアンスが異なる。
そういう「言いえて妙」な言葉が方言や世界中の少数派の人たちしかもう使わなくなった言葉の中にいっぱいある。
この本はそういうことばを紹介している。
それは宝物だと思う。
メジャーなことばなのかもしれないけど、横断歩道のことをアフリカのタンザニアでは「ゼブラ」と言うらしい、と最近知った。
アフリカの他の国でも言うのかもしれない。
アフリカ以外の他の国でも言うのかもしれない。
私は初めて知った。
特別な響きをもつ、言葉を忘れずにいたい。